新築マンションを買う場合、誰しも先ずはモデルルームを見学に行きます。そして、洒落た雰囲気たっぷりの室内にマイホームの夢が膨らんできます。しかし、一歩引いてみてください。モデルルームのイメージそのままで、あなたのマンションが成り立つわけは無いことを。
豪華なモデルルームが何故作られるのか?
新築マンションの多くは、建物が完成する前に販売を開始します。(一応法理上は自治体などから「建築確認」降りれば販売できるそうです)
それでも何千万円もするマンションを現物なしで売るというのは、かなり乱暴としか言えません。そこで実物のイメージを伝えるためにモデルルームを作るのです。
用意されるモデルルームは2〜3タイプ
だいたい大規模なマンションでもモデルルームのタイプは2〜3タイプになってます。100戸程度なら、ひょっとしたら1タイプのみなんてこともあります。
しかも用意されるモデルルームは、最上階や妻側タイプがほとんどです。
本来モデルルームは一番数の多いタイプ、すなわち中住戸で作った方が購入者にとってはありがたい話なんですが、なんでそうならないのでしょうか?
モデルルームはイメージを膨らませるもの
正直モデルルームに行って、普通の生活感たっぷりのお部屋を見せられたとすれば、おそらく販売力は落ちるでしょう。
モデルルームに行って凄く気持ちのいい部屋を眺め、目の保養をし、「あのマンション欲しい」と夢とイメージを膨らませてこそモデルルームなのです。
よく「モデルルームに騙されるな!」なんてこともありますが、今時、モデルルームと実際の部屋が異なることぐらい、マンションを購入すると考えているのであれば、知ってて当たり前のことなんです。
それでも夢に酔いしれながら、しっかりと現実を見ることが、モデルルーム見学の入り口。
モデルルームと買える住戸は違って当然だ!
モデルルームには様々な演出が施されています。しかし、最低限何をすべきかをわかってないと本当に遊び感覚の遊園地気分で終わってしますます。
何をチェックすべきか?何を聞くべきか?抑えるところは押さえておきましょう。
モデルルームのタイプと価格帯
まず絶対確認しますよね?そのマンションの価格帯とお部屋のタイプ(間取り)モデルルームに行ったら、まず今見ているモデルルームが、どの住戸タイプなのかを確認する必要があります。それと同時に、そのタイプの価格帯はいくらなのかもチェックする。
まぁモデルルームと同タイプの部屋になると必然的に、自分の予算と合わない可能性が高いでしょうから、実際に買えるタイプの間取りや、内容を確認した方がいいです。
基本的にモデルルームに行けば、今売りに出されている間取りのタイプや、これから建つタイプなどを一覧にした資料を貰えるます。実際に見ることは出来なくても、とにかく図面を確認し、イメージを膨らませて行くしか方法が無いのです。
中古マンションで確認する
新築マンションで確認が出来ない、イメージを膨らませてもイマイチ掴めないなら、同タイプで売り出し中の、中古マンションを見学するのも手だと思います。
マンションの外観や中古マンションであるという先入観を捨て、部屋の中の広さや、浴室の大きさ、キッチンの高さや幅などを参考にすることは可能でしょう。
モデルルームはオプションの宝庫!
モデルルームの演出は巧妙で派手です。当然マイホームという夢の実現を演出するわけですから、巧妙で派手な方がいいに決まってます。逆に超質素なモデルルームだと、気持ちも萎えてきますから!
そうなると出現してくるのが、「有料オプション」です。
モデルルームは基本的には有料オプションが満載です。正直マンション買うこと自体で結構気合入れてるのに、オプション自体を全て揃えることなんてとても無理でしょう。(中にはセレブがいますがね)
オプションに惑わされる
モデルルームでは設備や内装仕上げなどをオプション仕様にしているケースが多いです。標準仕様とはかけ離れた世界に誘い、購買意欲を持たせる。アドレナリン全開の購入者は、オプションが無くても、すでにモデルルームの世界に魅了されているので、標準装備でも欲しくなってくる。
明らかにオプション仕様だと分かる部分は置いていて、オプション仕様でも注意すべき点はいくつかあります。
- 壁のクロス
- 床フローリング
- 鏡
- システムキッチン
- 浴槽
- トイレ
壁のクロスもオプションあんのか!って感じでしょ?でも実際そうなんです。フローリングも色やタイプによって値段が変わってくるもんです。フローリング一つで、お部屋の高級感がガラッと変わります。
また玄関に設置された大きな鏡や、システムキッチンなども、標準装備とは違うものをモデルルームでは採用してます。
浴槽やトイレは滅多にないとは思いますが、トイレに関してはモデルルームでは、自動で便座が上がったのに、マンション買ったら手動だよーってな感じもあるかもです。
マンションの販売価格の比較
最後にモデルルームの見学に際しては、価格についてもチェックしておく必要がありますね。価格のチェックは周辺に建つ他のマンションとの比較と、同じマンション内における住戸間の比較の2種類をした方が無難でしょう。
同じマンションの比較に関しては、一般的な考え方として下から上に上がれば高くなる。角部屋は高くなる。1階も高くなる。最上階は一番高い。
などなど皆さん知ってる情報で十分でしょう。
周辺物件との比較
周辺物件と比較するのは完璧にやるのは難しいでしょう。専有面積が全く同じや、環境、利便性、駅までの動線など完璧に同条件を揃えることは不可能です。
じゃーどうするの?
どうするのかと言いますと、単価での比較をすべきです。1m2の単価を算出し、比較します。出来れば、住戸数の一番多い、中住戸で比較することでしょう。
そして差がある場合は、駅からの距離や利便性、建物の設計レベルや、デベロッパーや設計会社などのブランド力を加味して検討します。
最後に
モデルルームを見学して、自分もこんな素敵なマンションに住めるのかぁって完璧に酔いしれたら確実に失敗します。まぁ最近は構えてからモデルルームに行く人が多くなってきているとは思います。
モデルルームの良いところも悪いところも、「人を魅了する素敵な演出」がなされているからなんでしょうね。