辛い話です。。40代で住宅ローンを借り入れすれば、完済する年齢は順当に行けば75歳です。
普通の人が通るいわゆる『鬼の住宅ローン』です。そもそも常識的に考えると40代から35年間返済し続けること自体が奇跡に近いように感じます。
それはサラリーマンであれば必ず迎えるであろう定年制度です。
最近では65歳まで仕事が出来るようになった会社も多くなりました、それでも住宅ローンは残り10年はあるのです。
あなたの収益還元価格はいくら?
「今の年収が800万円あるから、まぁ5倍くらいの4000万円の住宅なら買っても安全圏だろう」こんな安易な考えの方いますかー。(僕も僕も周りも安易な考え方です)
皆さん覚悟はしていると思いますが、マンションを買った時点の収入が将来も保証されているわけではありません。
不動産の収益性は賃料という指標で測ることも可能ですが、自分の収益性に関しては測り辛いでしょう。
収入が右肩上がりで伸びていくとは限らない。リストラや転勤などで収入や収支が変化する可能性も想定しなければならない。
このような事態も想定した中で、住宅ローンの組み方や冷静な鑑識眼を身につけた方が良い。

サラリーマンの生涯賃金は2億円前後
サラリーマンの生涯賃金は2億円前後とも言われております。
まぁいつから働いて、いつまで働くのか?によって大きく上下することもあります。あくまで平均的なサラリーマンの生涯賃金なんでしょう。
あたなの耐久年数は?
サラリーマンとして22歳頃(大学卒業)から65歳まで働いたとして43年間あります。
マンションなどの建物にも耐久年数があります。築年数が古くなるにつれて、その価格は例え人気エリアであったとしても、減少傾向をたどります。
これを人間に例えたとすれば、あなたの耐久年数も年齢を重ねるに連れて、価値は下がって行く人が大半でしょう。
一番良い時期を基準に考えないこと
仮に生涯賃金が2億円だとすれば、43年間働いたとして、平均年収は465万円になるのです。
もし、年収800万の時期に高級マンションを購入したとしても、平均年収を考えると、万が一の際、目も当てられない状況に陥っている可能性もあります。
低金利だから得だ!自分を見失わないこと
住宅ローンの金利動向は、家を買おうとしている人であれば、一番気になる要素の一つでしょう。
金利が低ければ、借入額に対する返済負担が軽くなる。相対的に収入の低い人でも、購入できるようになる。
そして需要が広がる、物件が売れる。最後に不動産業界が潤う。
購入者から業界まで、全ての人にとっても好ましい状況のように感じます。そして声を揃えてこう言うのです。
「超低金利で住宅は今は買い時だ!」
低金利は判断力を失うことになる
低金利は、借金をして住宅を購入するリスクに対する判断力を、失わせることになります。
今更ながら、借金をして購入した不動産は完全な所有権ではありません。借金をして住宅を買うということは、財産を失うという大きなリスクがあるのです。
リスク回避のたまに考えるべき順番として
- 借金のリスクを他の収入で回避出来るのか?
- 借金の残高が売れる価格より少ないか?
- 金利が高いか?低いか?
金利から得られるリスク回避は優先順位としては低いことを認識すべきです。
金利が低いことで自然にリスクが高くなっている
金利が下がることによる効果として、一つは「同じ金額を借りても返済額が低くなる。」これは、金利の高低差によって当然のように生まれることです。
そして、二つ目が問題なのですが、「返済負担を変えなければ借入可能額が増える。」
金利が低い → 返済額が少ない → 借入額が増えてしまう
特に賃貸で生活している人が、家賃なみの返済額なら、家を買った方がマシかも?
何て思いで月々の賃料額同等の、マンションを買うと、本当は自分の年収や生涯賃金では危険であるにも関わらず、低金利による月々の返済額が少なくなり、結果ワンランク上のマンションを手にして、借入額が増えてしまう。

金利に吊られて買い急ぐ気持ち
低金利に吊られて、この際マンション買おうか!と考えるご家庭もたくさんいます。というか至って普通の考え方かもしれません。
そうでなければ、不動産市況が潤うこともないでしょうから。その他、消費税増税などの影響も多分にあるでしょう。
気持ちとしてそうであったとしても、やはり自分のライフプランにあったマンションかどうかをよく吟味して購入すべきだと思います。
目先の低金利につられて、買い急ぐだけでは将来危険すぎますので。
まとめ
生涯年収と住宅ローンを考えた時に、大きなポイントとしては、やはり自分の価値を知り、将来予想できる事案と、予想できない事案、ともに対応できる。
回避できる実力を身につけることが大切なことです。
そして、自分の価値を見出した時、たとえ低金利であったとして、返済出来るのか?いつまで待ち続けることが出来るのか?を考え、自分にあった適正な価格のマンションを購入すべきでしょうね。