住宅ローンは、金融機関が個人に貸し出すお金の中で、もっとも低金利で高額を、長期間に渡り借りられるローンなのです。そのとても恵まれたローンを使うには、融資を受ける本人が、居住する目的で融資住宅を新築・購入するという、前提条件がある。
だからもしも本人が、そこに住まなくなった事態になれば、原則として住宅ローンは利用できなくなる。
転勤や長期出張、その他やむを得ない理由で、一時的に融資を受けている住宅に住めない場合は、金融機関に所定の変更届出を提出することで特別に継続可能になる。
(まぁ言わなくても、返済が遅れない限り、特に何か管理している訳ではない。郵便物が届かなくなったりしたら、ヤバイかもね)
そんな中、住宅ローン返済中のパパさん・ママさんからすれば、まさに「悪魔のささやきとなる」そんな事象が起きる時がある!
転勤という不都合な会社都合
いやー困ったなんて、ゆうちょなこと言ってられない事態です。しかも半年先とか1年先の話じゃない。たいてい「君、転勤ね」って軽く言われてから、転勤するまでの期間は、普通の社員で1ヶ月前くらい。
中には2週間前とか1週間前とか、世の中本当にプライベートな時間と生活を一体どう考えているのか!と疑うくらいの、いわゆるブラック感満載の会社もある。
ちなみに部長クラスなら、2ヶ月前くらいには口外されていなくても、本人は知っているレベル。雇われ出向社長の、子会社からの退任は、株主総会などの時期にもよるが、おおよそ9ヶ月前くらいには知り得ている。
ローン返済と賃貸に出すこと
これは裏を返すと、「単身赴任か?家族帯同か?」の選択と同様になる。住宅ローンを、ただの借金として切り離すことが出来ないのは、家族全員がそこに住んでいるという、いたってシンプルな事実があるからである。
ということで結局は、単身赴任でも家族帯同でも、住宅ローンは完済しない限り、一生つきまとう借金なのである。
コストパフォーマンスは単身赴任!=ローン返済
家族帯同で転勤先に行くことで、今住んでいるマンションを賃貸に出すことも出来る。ここで大切なのは、住宅ローン返済額と、周辺家賃相場との兼ね合いになる。
もともとその辺りを事前に踏まえ、マンションを購入している賢い人もいると思う。しかし、住宅ローンの月々返済額以外にも、マンションには必要な経費がある。しかも年々上がるかもしれない。
個人的には単身赴任の方が結果的にはコストパフォーマンスは良いと思う。大きな理由はシンプルにたった1つである。
家族の生活スタイルの維持
単純に転勤すれば永遠に戻れない訳では無い。中にはそういう会社もあるのかもしれないが、基本的には3年。早ければ2年程度で、いわゆる地元に戻ることが出来る。
家族の生活スタイルの維持はとても重要であり、転勤者一人の都合で、全てが真新しい生活になる。これは恐らく、相当な苦労を要すると思われる。
転勤者自身は、同じ会社の違う場所に行くだけであり、案外すんなりと溶け込むことが出来るのかもしれない。
しかし、小学校や中学校に通う子供がいたらどうだろう?
新しい友達や新しいクラブなど、全てが知らない街と、知らない人で埋め尽くされてしまう。
「何事も経験だ!」なんて言ってる、転勤者である当の本人が、転勤族で引っ越しなんて子供の頃したことが無い人が意外と多いのに、なぜ自分の子供にはそう言い切れるのだろうか?
青田売りマンションの購入も躊躇する
モデルルームの見学を終え、マンション購入に踏み切る。そして実際に住めるのは、来年春。住宅ローンもお預け。
転勤がある会社に勤めていたとすれば、これほどドキドキする1年間は無いだろう。新築マンションに住むことが出来る楽しみでもあり、苦しみでもある1年間になる。
新築マンションに住むのが来年春、転勤のラッシュ時期はご存知であろう来年春前である2月3月の時期に当たる。せっかく新築マンションを購入したにも関わらず、そのマンションに足を踏み入れることなく、見知らぬ土地へ引越しすることになる可能性。
たとえ単身赴任であったとしても、それは耐え難い瞬間であるに違いない。
家を買ったら転勤になる都市伝説
これが都市伝説で終わればいいのだが、数々の都市伝説が生まれてきたのを実際に見てきているだけに、伝説で終わらせることは出来ないだろう。
企業にも言い分があり、マイホーム購入というのは、全国展開している企業にとっては、とても転勤させやすい人物になっていることになる。
まぁ転勤させられる価値のない人は、それに値しないのも現実としてある。
マンションの選び方で回避する
「転勤するかもしれない」なんてことをビビってたら、一生マイホームなんて買うことが出来ない。とはいえ、最悪のケースも考えて慎重なマンション選びをする必要がある。
もしこれからマンションを購入しようとしているのであれば考えていく事柄がいくつかある。
資産価値が維持できるマンション選び
これに尽きると思う。万が一、転勤を住宅ローン返済中に宣告されたとしても、資産価値の高い、そしてその価値が持続するマンションを選ぶことで、その後の選択肢が大幅に増える。
仮に家族帯同で転勤先に異動したとしても、資産価値の高いマンションであれば、賃貸に出すことも、売却することも有利に進めることが出来る。
また子供の成長過程を見ながら、一時的な単身赴任をしたとしても安心ができる。
これが逆に当時は数千万という新築マンションならではの上澄みが重くのしかかる、資産価値が低いマンションを購入した場合は、売却しても住宅ローン残が残る可能性もある。
賃貸に出しても、赤字になる可能性もある。また住宅ローンの低金利がいつまで続くかわからない状況であれば、なおさら賃貸に出す不安を残したままの状態が続く。
こういったポイントを考えると、高級マンションとまではいかないにせよ、入念な調査を行い、過去から現在に渡り、出来るだけ資産価値が持続しているエリアを選択すべきだ。
マンションの間取りから考える
間取りには大きく分けて2つのタイプがある。「田の字型」と「センターイン」になる。転勤をした際の、マンション資産価値として、最終的にどちらが良いと思いますか?
答えは「センターイン」になる。
田の字型は比較的、センターインよりも多く見られる一般的で庶民的な間取りと言える。玄関からリビングまでの動線が一本で繋がり、左右に、浴室やトイレ、寝室などが配置されているのが、一般的な田の字型の間取りになる。
またリビング隣には、和室か洋室があり、まずもって和室だと最近の傾向からして、人気は下がる。
マンションに和室は必要か?選ぶ権利を得るために何が必要なのか!
また田の字型は、先ほど説明した通り、動線が1本廊下で結ばれており、リホームや間取りの変更の自由度が格段に下がることもある。
そして何の説明もいらないくらい決定的なこととして、高級マンションと呼ばれているマンションの間取りには、ほとんどがセンターインを使用していることが多いのである。
このように考えると、間取りからみた場合のマンション購入は、「センターイン」を優先して購入できそうなマンションを選ぶのもありだろう。
マンション選びの一つの選択肢「将来を見据えた間取りを選ぶこと」
何事にも準備をすること
住宅ローンは長期戦です。35年間何事もなく、無事に暮らしていくこと自体が奇跡であり、転勤じゃなくても色々な困難は待ち受けていることでしょう。
しかし、そういった困難を乗り切るために必要なことはたった一つなんです。
準備をすること!
例えば、いずれマンションを買うかもしれないという将来のライフプランを計画していた場合に頭金の準備をしてませんか?
万が一、転勤になった場合に備えて何が出来ますか?
その時点で転職を考えるなんて危険極まりないですよね?
言われて初めて気付くようでは遅いのです。全てにおいて準備を怠らない姿勢で日々望めば、仮に転勤と会社に宣告されたとしても、その時にはいくつか選択肢があなたに出来ているかもしれません。
最後に
マンションを購入することは人生において最大の買い物であります。転勤するということも、人生の中で大きな決断を迫られる時です。
住宅ローンと転勤という二つの苦渋を突きつけられた時に、あなたはどうしますか?
またこれからマンションを購入しようとしている、全国転勤可能な企業に勤めている方はこれからどう選択しますか。
答えが出るものではありません。全ては準備なのです。